学部長あいさつ

急速に変化する社会で活躍しつづけるために
-熊本大学工学部で君自身を大きく成長させよう-

工学部長宇佐川 毅 熊本大学工学部は平成29年に創立120周年を迎えましたが、これまでに3万8千名を超える卒業生を送り出し、世界中で活躍しています。皆さんがこれから社会で活躍するための基礎を確立するために必要な二つの環境、「大学院までの系統的かつ高い水準の教育環境」と「最先端の研究を推進できる研究環境」が、熊本大学工学部には整っています。

平成28年4月の熊本地震では、工学部の教育研究環境も大きな被害を受けました。平成30年4月段階でも、一部の施設は復旧過程にありますが、震災から1か月後には講義を再開しました。また、研究活動についても順次回復し、平成29年3月には、すべての学生が予定通り卒業・修了し、社会に巣立っていきました。

 その一方で、熊本地震からの復旧・復興に向け「熊本復興支援プロジェクト」を全学で立ち上げ、教職員・学生が一丸となって取り組んでいます。例えば、平成28年10月に開設された熊本大学「ましきラボ」では、教職員が学生諸君と一緒に益城町の復旧・復興のための活動を続けています。また、防災減災に関する研究成果や今回の熊本地震の経験と得られた知見を学術的に展開するために、平成29年4月に「くまもと水循環・減災研究教育センター」が発足しました。さらに、学生ポランティア団体も発災直後から活発に活動しており、現在も地域の復興のみならず、他県で発生した災害への支援活動を展開しています。

 本学では、平成30年4月、工学部を4学科に編成とするとともに、大学院博士前期課程も各学科に対応する形で4専攻とすることで、六年一貫的教育をスタートさせます。この教育体制の整備は、工学部共通の基礎教育を充実するとともに、学部と大学院の連携を強化・拡充することで、専門教育の高度化に対応することを目的としています。工学者として社会で活躍するための基盤的な学力に加え、急速なグローバル化への対応力および日本の“ものづくり”を支える力を涵養するための教育を、これまでにも増して推進します。例えば、長年継続している学生創発コンテスト“もの・クリCHALLENGE”や日韓台の国際混成学生ものづくりデザインキャンプなどの国際的な活動を通じ、より実践的な経験を積むことができます。また、キャンパス内では多くの留学生が学んでおり、熊本に居ながらにして多様な文化や考え方に触れることができるとともに、海外協定校への交換留学制度に加え、大学院では欧州・アジア地区の大学とダブル・ディグリープログラム(注)も準備されています。さらに、地元企業を含めた産業界と連携した多様な業種でのインターンシップは、卒業後の進路を決定する上で貴重な情報を得る絶好の機会となっています。このように、工学部はグローバル化する社会へ大きく開かれた窓であり、皆さんの手の届くところに非常に多くのチャンスがあります。

 社会という大海原への航海に旅立つための準備に不可欠な時間と空間を提供するのが大学であり、熊本大学工学部はそのために必要な環境の整備に取り組んでいます。しかし、大学が提供するチャンスをどのように活用するかは、皆さん一人ひとりにかかっています。自らの未来を自らの力で切り拓くために必要な知識、技術、そして心を、熊本大学工学部で育んでいきましょう。

 

 

(注)同時に二つの大学院に入学し、両方の大学院の修了要件を満たすことで、同時に二つの学位を取得できるプログラムです。現在、大学院自然科学教育部と欧州・アジア各国の複数の大学との間で実施しています。