テレビ放送は、1953年にアナログの白黒テレビからスタート、2011年7月24日に完全デジタル化され、本年12月には4K、8K放送がスタートした。この間、カラー化や高画質化、多機能化、さらには、衛星放送の開始というまさに技術進歩が放送に大きな進化をもたらした。そして、日本の放送技術は世界をリードする形でHDTV(ハイビジョン)の規格標準化や豊かな放送文化の創造に大きく貢献している。
こうした新たな放送方式の導入は新たな技術的課題ももたらす。本講演では、日本放送協会の目的の一つである「放送法 第三章 第一節 第一五条:全国あまねく受信」の実現を軸に、難視聴解消事業から新放送方式の導入で生ずる技術的課題に関係機関とともに取り組んできた経験の一端を紹介する。(衛星放送の開始と地上放送の完全デジタル化を中心に)
最近では、通信ネットワークを通してテレビ番組や各種の映像・音声サービスを享受でき、テレビの視聴形態も大きく変化している。ここでは、ネット視聴の実態や課題などに触れる中で、東日本大震災、震度7を記録した「熊本地震」や「北海道胆振東部地震」、また、福岡・朝倉地区や岡山・倉敷地区で発生した西日本豪雨災害など、頻発する自然災害と報道機関としてのテレビの役割について考察する。
テレビ放送では、これまで高画質化や多機能化でコンテンツの表現力を大きく進展させてきた。今後は、より自然な映像表現ができる立体テレビや自由に折れ曲がるディスプレイなどの研究・開発が各方面で進められており、より幅広い楽しみ方が期待される。放送と通信の融合時代における関連機器の開発動向を探り、将来の放送について技術的側面から展望する。
【日 時】平成30年12月21日 (金) 16:25-17:55
【場 所】工学部2号館2F 223
【お問い合わせ】嵯峨 智 saga@cs.※(内線 3841) (迷惑メール対策のため、メールアドレスのkumamoto-u.ac.jpを※に置き換えております)
【関連サイトURL】http://bit.ly/project-x-91