最先端研究

軽さと強さ
高い耐熱性を兼ね備えた今までにないマグネシウム合金を開発

実用金属の中で最も軽いのがマグネシウム。曲がりにくさと放熱性も高いことから、パソコンや携帯電話、デジタルカメラなどの情報家電にも使われています。しかしマグネシウムは強度や耐熱性が弱く、それらの強度を上げる研究が盛んに行われています。この分野でいち早く成果をあげたのが、熊本大学自然科学研究科です。2001年には、室温で超々ジュラルミンの2倍の強さを持つ「ナノ結晶合金」を、また2003年には製造法が簡単で低コストで作れる「鋳造合金」を開発しました。

 これらは「KUMADAIマグネシウム合金」と呼ばれ、日本の産業界はもちろん、世界中からも注目を集めています。KUMADAIマグネシウム合金を自動車や航空機に使用すると、車体や機体が軽くなるため燃費が向上し、二酸化炭素排出の削減にもつながります。そのため「エコにつながる素材」として早期の実現化が望まれているのです。もっと身近なものでは、自動車や車いす、草刈り機の軽量化が可能になるなど、快適な暮らしにつながる素材としても期待されています。

現在はこの素材の実用化を目指して産学官の大型プロジェクトを進めています。また、2015年3月にはマグネシウムのための研究設備を集約した新研究拠点が設立され、基礎研究から応用研究までを効率的に実施する環境が整備されました。この新しい素材を基盤とした新産業が熊本で発展すれば、地域の企業の発展はもちろん、日本中の大企業を熊本に呼び込むという効果も期待できます。熊大、そして熊本が「次世代マグネシウム合金」の一大研究開発拠点となることを目指し、人材の育成と素材の開発研究に取り組んでいます。