土木建築学科

研究内容

まちづくり

まちづくりとは、都市の施設や空間などの整備だけでなく、まちの使い方などの機能などを一体的に計画・デザインし、人々が住み、働き、遊び、憩い、動くという活動の舞台と機会を生み出す実践的、かつ創造的な作業です。まちづくりグループでは、

  • 環境と調和し、地域の伝統や文化に配慮した美しい構造物やまちなみ景観を作る考え方とその技術
  • 交通混雑の緩和や環境・エネルギー負荷の低減と中心市街地の賑わい復活を実現するまちづくり方策
  • いろいろな立場の団体や市民が合意を形成し、協働してより良いまちをつくるために必要な仕組みやプロセス

などについて研究し、その成果を実際のフィールドで実践しています。これらの研究成果は、白川「緑の区間」の景観デザイン、熊本電鉄LRT化計画の費用対効果分析、八代麦島城趾保存と雨水幹線整備の対立緩和などに採用されました。

環境や防災にも配慮したデザイン-曾木の滝分水路

地形模型の作成と地域景観の検討:地域の景観について、地形の模型を作成しつつ議論しています。

地域防災・減災

私たちの生命や財産を守り、安全で安心できる暮らしを実現するには、地震、台風や豪雨などの自然現象が生じても、生活を支える道路・鉄道や電気・水道などの社会基盤施設が安全にそれらの機能を維持できるように、地域の防災・減災力を高めることは極めて重要です。地域防災・減災グループでは、

  • 社会基盤施設の災害そのものを防ぐ技術、および、災害が生じたとしても施設を安定して運用するためのハード面での対策技術
  • 水害時の浸水シミュレーションや避難経路の検討など、地域住民の防災意識を高め被害を少しでも軽減するためのソフト面での技術
  • 社会基盤施設の関わる行政、民間、大学、地域住民が連携して災害の軽減に取り組み、地域の防災力を高めるためのリスクマネジメント技術

などについて研究をすすめ、研究成果の実用化に取り組んでいます。これらの研究成果は、例えば、白川流域圏の治水安全性の向上、地域住民の防災教育、地域の防災行政に対する提言などの形で役立てられています。

熊本地震 益城町の被災状況調査

減災型地域社会のリーダー養成プロジェクトのフィールド演習(避難所生活の体験 1泊2日)

社会開発

私たちの生活の基盤となる施設は、道路、橋、ダム、斜面など地上に建設されるものから、トンネル、地下発電所、高レベル放射性廃棄物処分場など地下深くに建設されるものまであります。これらの社会基盤を開発・整備するためには、自然環境との調和や共生を考慮することが重要です。社会開発グループでは、

  • 自然環境と社会環境が調和する地上や地下空間の開発と高度利用を行うための研究
  • 開発によって自然環境に人為的な負荷が作用したときの地盤や岩盤に発生する現象を解明するための研究
  • 開発が周辺環境に及ぼす影響の評価や周辺環境の整備技術の開発を行うための研究

などを行い、地域社会の持続的な発展に貢献するとともに、国内外に研究成果を積極的に発信しています。

LBMを用いた土質中の流動シミュレーション

マイクロフォーカスX線CTスキャナーによる材料内部の可視化

環境保全

私たちが自然・生態系と共生しながら社会活動を営むためには、地域から地球規模までの水・土・岩・大気の環境の分析を行い、人為的改変負荷が環境に及ぼす影響を評価し、悪化した環境の修復と環境の持続をはかる、という環境保全に関する総合的な研究と技術開発が必要です。環境保全グループでは、

  • 河川、海岸、海域、地上における水・土・大気の物理特性や生態系との相互作用の解明、環境再生・維持技術の開発、汚染物質の拡散と流れによる地形変化のシミュレーション
  • 地下水、河川、湖沼、海域における水質・地質環境の調査法、環境アセスメント法、排水からの有害物質の除去法、土壌汚染防止のためのバリアシステムの開発、汚染土壌の修復法
  • バイオテクノロジーを活用する水質・底質改善とエコ・エネルギー利用

などについて教育研究を行っており、研究成果を国内外へ積極的に発信し、実用化にも取り組んでいます。

魚類調査風景

水田用水量の計測機器の設置

建築意匠・計画

多様化する社会に対応する為に、新しい建築や都市のあり方を考え、その意匠や計画手法、そして具体的な設計方法について追求しています。

  • 建築計画:機能性や快適性に配慮しながら、住宅から大規模複合建築まで多様なタイプの建築計画について、地域性とグローバルの視点から包括的に研究しています。
  • 都市計画:自然と人間社会とのより良い調和や社会的課題の解決を目的として、都市開発やパブリック空間のデザイン、市民参画のまちづくりについて研究しています。
  • 建築設計・デザイン:優れた建築デザインに関する実践的な研究を行っています。歴史、都市、環境、構造、施工等との関係を考慮し、包括的な設計手法の開発を目指します。
  • 歴史意匠:西洋や日本の建築や都市を、歴史的に、様々な角度から分析を加えて研究します。当時の人々がどのようにその建物を創り上げたのかを明らかにし、明日の建築を考え、造るための足がかりとします。

教員の設計による震災仮設住宅(グッドデザイン特別賞)

ギリシア・ペラ博物館にて古代建築の実測風景

建築環境・設備

人々の生活の質の向上を目指し、音、熱、空気、光という環境要素に着目して、建築や都市空間が備えるべき性能について研究します。地球環境に配慮し、気候や地域文化を考慮しつつ、居住空間から地域・地球環境までを視野に含みます。現在取り組んでいる主なテーマは以下のとおりです。

  • 建築・都市温熱環境:夏季のヒートアイランド現象など都市の環境汚染が深刻化する中、伝統的な建築・都市空間やそこでの住まい方を実測調査や数値シミュレーションより解析し、環境負荷の小さい快適な建築・都市空間をデザイン・実現するための研究を進めています。
  • 室内温熱・空気環境:住宅の室内環境を健康的な状態に維持・管理するため、空気質の改善や温熱快適性の向上に関する研究を行っています。学校、高齢者住宅、災害仮設住宅などを対象に、実験や現場実測を通じて、対策手法とその効果を検証しています。
  • 音環境:建築の音響設計はコンサートホールのためだけではなく、言葉の発達段階にある幼児が一日を過ごす保育園をはじめ、明瞭に聞き取るために響きを調整すべき空間は数多くあります。音響設計の新たな可能性について研究を通して追究しています。

江戸町人地の夏季の表面温度分布(解析結果)

江戸町人地の夏季の表面温度分布(解析結果)

無響室での聞き取り試験

無響室での聞き取り試験

建築構造・生産

建築は大地震や台風などの自然災害や火災から人々の生命や財産を守る使命とともに、快適な時間を過ごせる特別な空間(屋根付き競技場、超高層建築、タワーなど)を提供する役割があります。この実現のために、建築の構造設計手法の研究や、建築材料・生産技術に関する研究を行います。

  • 耐震・耐風構造設計:地震や台風などの自然の驚異に対して、人々が安心して暮らせる建築物を造るために、構造実験やコンピュータシミュレーションで建物の特性を調べ、災害に強い安全な建築物の設計方法を研究しています。
  • 建築構造計画:異なる大きさや形、機能を持つ多様な建築物を実現させるために、柱や床などのパーツを繋ぐ接合部や建物全体の構造性能を実験や計算で調べ、自由度の高い構造設計システムの研究をしています。
  • 建築生産:種々の建築材料に関して幅広く研究し、建築物の高性能化・高機能化に対応する技術開発や、建設廃材の有効活用法やリサイクル材料を建材として二次利用できる再資源化技術についても研究します。

立体トラス屋根の変形図(解析結果)

鉄筋コンクリート梁の載荷試験

鉄筋コンクリート梁の載荷試験