情報電気工学科

浪平 隆男 先生 (産業ナノマテリアル研究所 材料プロセス部門 准教授) が 令和4年度(第27回)リサイクル技術開発本多賞 を受賞しました

産業ナノマテリアル研究所 材料プロセス部門 准教授の 浪平 隆男 先生が,一般社団法人 産業環境管理協会より,令和4年度(第27回)リサイクル技術開発本多賞を受賞しました.

研究題目は ‘新規電気パルス法によるリチウムイオン電池の高精度分離技術開発’ です.(受賞日:2022/10/14)
リチウムイオン電池正極材の集電箔に塗布された正極活性物質の粒子を化学的に変化させず,高精度に分離する技術を開発しました.分離現象やプラズマ発生,伝熱に関する実験的可視化と,電場伝熱シミュレーションや分離前後の詳細な化学分析などを組み合わせることで,水中で複数回の印加を要する電気パルス法を改良し,水中のみならず空気中においても単発の電気パルスの印加にて高精度な分離に成功しました.これは,直接放電法によるプラズマ化に伴う膨張波や衝撃波発生を最低限に抑えながら,集電箔への大電流によるジュール熱発生にて接着剥離に効果的な界面局所加熱に成功したことによります.分離された粒子はほとんど化学的変化を受けていないことから,高精度リサイクルのみならず電池材料として直接リサイクルできる可能性もあります.そのため,企業からの注目度も高く,経済産業省のグリーンイノベーション基金事業でも複数社の企業提案の基本分離概念として本技術が採用されるに至っています.当該技術は省エネルギー型の物理選別技術であり,温室効果ガス削減とコバルト・ニッケル等の資源効率向上の同時実現の可能性も高いことをライフサイクル評価(LCA)によって確認しています.

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