材料・応用化学科

井原研究室・嘉村匠人さんが表彰されました!

井原研究室・勝田グループ・嘉村匠人君(修士1年生)が第36回九州分析化学若手の会 夏季セミナーにおいてポスター賞を受賞しました!

~嘉村匠人くんによるポスター内容の説明~

RNAを標的とした既存の遺伝子発現制御技術には、標的としていない遺伝子に対しても効果が表れるOff target効果が存在します。例えば、「Off target効果が0.001%生じるとするとヒト遺伝子(約30億塩基)で遺伝子発現制御を行った場合、約3万か所でOff target効果が生じる可能性がある」というように、わずかにでもOff target効果が存在すると致命的な欠陥が生じる可能性があります。このような背景から、私たちのグループは一切のOff target効果が発現しない遺伝子発現制御技術の開発を目指しました。本研究で私たちは核酸塩基の一種であるグアニンを豊富に含むmRNAで形成されるRNA G-quadruplexと呼ばれる特殊な構造に着目しました。この構造がmRNA上に存在するとタンパク質翻訳反応を阻害することが知られています。そこで、外的因子によってRNA G-quadruplexを意図的に形成させることでタンパク質翻訳反応を阻害し遺伝子発制御を試みました。その結果、試験管レベルにおいて標的遺伝子の発現を制御することに成功しました。

授賞式の様子