井原研究室・北村グループ・田島彩瀬さん(修士1年生)が第36回九州分析化学若手の会 夏季セミナーにおいてポスター賞を受賞しました!
~田島彩瀬さんによるポスター内容の説明~
がんの転移は、がんが発生している組織(原発腫瘍組織)からがん細胞が剥離し、血液やリンパ液の流れに乗って他の臓器に移ることで起こると考えられています。このように体内を循環するがん細胞は血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cells, CTC)と呼ばれ、がん患者の病状と深い相関があると考えられており、がん診断のバイオマーカーとして用いることが期待されています。しかしながら、1mLの血液中には約10億個の血中細胞(赤血球、白血球、血小板など)が存在するのに対し、CTCはわずか数個程度しか含まれておらず、その検出は困難であるとされています。そこで本研究では、CTCの選択的な検出を最終目的として、がん細胞の細胞膜に高発現する膜タンパク質(Epithelial Cell Adhesion Molecule, EpCAM)に結合する核酸分子(EpCAMアプタマー)を用いて、金基板上にがん細胞の高選択的捕捉を試みました。その結果、がん細胞と正常な細胞の混合液中でもEpCAMアプタマー修飾金基板上に高選択的にがん細胞を捕捉することに成功しました。
授賞式の様子 |