海外に挑戦する学生を支援します~グローバルものづくり教育センターの取り組み~
特定事業教員生野 朋子 氏 グローバルという言葉の通り、今や私たちの生活において日本以外の国を意識せずに生きていくことはもはや難しくなりました。しかし、実際に国際的な活動というと敷居が高いと思われる方もいるかもしれません。
熊本大学工学部では国際混成デザインキャンプはグローバルなエンジニアを目指す学生のための「ものづくり」の国際交流事業をおこなっています。本年度は平成30年8月11日~18日に熊本大学で開催しました。台湾・高雄科技大学、韓国・東亜大学と本学の3ヶ国共同で行っており、3校から24名ずつ集まった学生が国際混成の12グループを組み、「未就学児のための知育玩具」をテーマにコンテストを行いました。
事前のインターネット等を利用した話し合いに始まり、期間前半はものづくりに関する講義や企画案を参加者全員に発表する機会があります。
初めは言葉の壁に戸惑う場面もありましたが、日を追うことに各グループのチームワークは醸成されていきました。 期間後半は先生方が加わった白熱する議論が連日行われました。 国際混成でものづくりの試行錯誤を繰り返すことは、日常では得難い貴重な経験となることは間違いありません。
最終発表会では、小さな子が喜びそうな愛らしい形や色の作品が出揃いました。最優秀賞に選ばれた『DANCING WITH COLOR』は出題された数や言葉のパネルを正確に踏むというからだを使うおもちゃでした。数字や色の知識を習得するのみではなく身体能力の向上効果も考えて製作されたのが興味深いと評価され受賞となりました。
今年度はさらに、ものづくり教育を受けた学生が自分たちの活動を報告する「International Joint Symposium of Engineering Education2018」に20名の学生を派遣しました。これは韓国海洋大学校で平成30年12月26日~27日に行われた工学教育のための国際シンポジウムです。参加した学生たちは前述の国際混成デザインキャンプでの成果や、ものづくり事業のサポートを得て活動するサークルの紹介などを行いました。
10月から要旨集のための原稿を英語で書いたり、発表用の資料をつくったり、練習をしたりと準備を重ねて渡航しました。その甲斐もあって、学生達は皆緊張をしながらも堂々と英語で発表をしていました。中には質疑応対で戸惑う姿も見られましたが、身振り手振りを使い機転を利かせ乗り切る姿も見られました。
懇親会では、韓国海洋大学校の学生のみならず同志社大学や鹿児島高専の学生・生徒と各々の発表について意見を交わし、交流を深めていました。また、シンポジウム外の時間には、国際混成デザインキャンプで仲良くなった東亜大学校の友人たちと再び会い、釜山の観光を楽しみました。
連れて行ってもらいました
これらの取り組みに参加し、海外が身近に感じられるようになったという声を聴くこともできました。実際に、この取り組みをきっかけとし、海外への長期留学や別の国際交流事業への参加を計画している学生もいます。これからもグローバルものづくり教育センターでは学生の挑戦を応援・支援していきたいと思っています。