勝田先生(広報委員) では次に、授業はどうでしたか。
僕が担当した科目で学生から聞いたのですが、画面越しでの授業は先生の声が聞き取りにくいという声がありました。そういう話しも聞いていたので僕は全部授業にテロップ入れるようにしていました。ただ授業に対する改善要求は、なかなか学生からは言えないというのがあると思います。教員側からすると結構大変な思いをして授業を頑張ったという気持ちはあると思うのですが、学生側としてはどうだったのかなと。
その一方でテストは対面での実施もありましたが、これは教員側としては、フェアに評価すべき、特にコース分けとか研究室配属とか点数がある程度関わってくることもあるので、フェアに評価したいという思いからなんですよね。
水田さん(機械数理) いつもは黒板に板書が残っていきますが、ズームだと画面がすぐに次へ行ってしまうということはありました。待ってくれる先生もいますが、どんどん進んでいってしまう先生もいるので・・。
勝田先生(広報委員) ZOOMの授業は顔出しを要求することが禁止されています。なのでこちらが、「わかった?」って聞いても顔を見ることができないので、判断が難しいんですよね。淡々と進んでいくしかないというのはありますね。
髙藤先生(化学) 1年生の授業をやりましたが、チャットで「ここをもう1回説明してください」「スライドを戻してください」という要求が届くので、その都度発見したときに対応していましたね。ZOOMのいい点だなと思ったのは、なんか質問ありますかと聞くと、教室で手を挙げる学生ってほとんどいないんですけど、なんかあったらチャットで言ってくださいというと、結構チャットで質問してくれるんですよね。本当は聞きたかったんだなというのが、ZOOMをやっていてわかったんですよね。
西本先生(情電) 確かにチャットでは質問が来ますね。
髙藤先生(化学) 途中からハイブリッド授業(遠隔授業と対面授業の混合形式)をやり始めたんですけど、ハイブリッド授業だと目の前にいる学生に集中してしまって、リモートのチャットに気付くのが遅くなってしまうことがありました。授業をやっていると、チャットを確認する間がなくて質問を見逃すこともあったので、ハイブリッドは、やる側としては大変だなという印象は持ちましたね。
瀬戸さん(情電) 学生としても大きい教室でみんなの前では質問しにくいという人も、チャットだと先生だけに伝えることもできるし、普段の授業よりも言いやすかったというのはあります。
授業によっては、先生の声が聞きとりにくかったり、ホワイトボードが読みにくかったりというのがありましたが、授業の録画をMoodleで見直せるというのはテスト前とかありがたいなと思います。
連川先生(工学部長) すべての授業は録画してMoodleでアップしてくださいというのは工学部全教員にお願いしています。通信が途中で途切れたりという問題もあるので、あとで見返して、聞こえなかったところとか、よく理解できなかった部分は講義を聞いて理解を深めるために、必ず上げてくださいということはお願いしています。これは、ZOOMになったことのメリットかなと思いますね。
勝田先生(広報委員) テストはどうですか?
井上さん(マテ) 対面でのテストは、2個の教室に分けてありました。久しぶりに対面でのテストを受けた時は、テストってこんな感じだったなと思いだしながら、緊張感がある中で解けました。
瀬戸さん(情電) リモートでのテストもありました。今後のテストは対面ですることが決まっています。
連川先生(工学部長) 第2タームは、途中で急激に感染者数が増えていたので、途中でZOOMに切り替えました。
勝田先生(広報委員) フェアということを考えると遠隔では難しいですよね。
連川先生(工学部長) そうですね。第4タームは基本は対面で実施する予定です。
勝田先生(広報委員) 一方で研究室活動はどうでしたか。
大学院に進学しない学生にとって研究活動は1年しかないわけですが、思うように「研究を学ぶ」ことができない状況もあったかと思います。
井上さん(マテ) 夏頃までは研究室には行っていませんでしたが、今は行くのが当たり前になっています。研究が遅れたことについては、私だけではないので、今の状況なので仕方ないと思います。
勝田先生(広報委員) 建築は特に遠隔形式で授業をするのも研究をするのも難しいですよね。
濵﨑さん(建築) 4、5月はゼミがZOOMだったのですが、直接意見を聞きたいし見せるものもあるので、ZOOMではやりにくかったです。模型はZOOMでは見せれないので・・・。ゼミをZOOMでしても作業は大学でしていたので、研究室に来ないというのはあまりなかったですね。家ではできない作業も多いので、早い段階から研究室で活動をしていました。
勝田先生(広報委員) ある人は研究室で研究をしていて、ある人はしていないというのがありますよね。ラボ間の統一されたルールがあるわけではないですしね。
第一波の時と比べると、熊本は今のほうが感染者数が多い状況ですが、先生方はどのような方針で研究活動を進めておられますか?
辻本先生(土木) 現地調査は行かないといけないので、人数を減らして実施していますね。実験は研究室に来ないとできないですし、計算は家でという感じですね。強制的には来させなくて、データ整理は家でも構わないということで、3密を避けるかたちでやっていましたね。こういう時期なので研究も大事だが、いろいろな生き方を考えるいい機会でもあったという話を学生にはしていましたね。
西本先生(情電) 私自身の専門は理論的な研究なので、朝ZOOMで朝礼をやって、おわりに夕礼をやることで規則正しいリズムを作るようにしていました。本学科では、研究室で6月に英語の論文を読ませてプレゼンをさせるという取り組みがあるので、6月まではそういった勉強を、つまり比較的、家で対応できることを中心にしていましたね。実験系の授業をされていた先生方は苦労されたのではと思います。
勝田先生(広報委員) コロナ禍で授業や研究活動のあり方が変化し、学生側も教員側もこれまでと同じようにはいかない1年間でしたよね。遠隔のメリット・デメリット、できること・できないこと、いろいろな側面がありますが、新たに気付きを得たことも多かったのではないかと思います。今後どうなっていくかまだわからないところもありますが、より充実した授業や研究活動ができるように工夫していきたいですね。