働き手不足が社会問題!~大学としてどう考える~

未来に向けて何を担うべきかを考え進路を選ぶ

平成30年度
工学部就職連絡会委員長
藤原 和人 教授
 皆様もご存知の通り、2018年12月8日に外国人労働者受け入れ策として入国管理法が改正されました。現在日本は好景気と少子化が重なり、未曽有の働き手不足に陥っています。これまでは求人であまり苦労が少なかった大企業でも、こぞって会社説明会、1DAYインターンシップなど求人活動に熱をあげているところが増えています。学生にとっては非常に喜ばしいことではありますが、日本全体にとっては危機的状態と言っても過言ではありません。

 ものづくりで発展してきた産業構造の中で中堅企業が果たす役割は大きく、知名度が高い企業に多くの人財が流れると、生産現場で問題解決を支える大切な力が衰えてしまうのです。もちろん各会社の強みや特長を広報し人を集める努力は必要ですが、私たちの生活の中では目立たず、重要な基盤技術を担っている企業が人材不足で困っている現状です。

 大学としては、もちろん学生の進路希望を重視して力になるつもりですが、それぞれの学生の能力が十分活かされる職についてもらうことが、現在の私たちの生活の維持や未来への発展にとって、そして学生自身の幸福に重要と考えています。そのためには、工学的な知識や技術を広く学び、その上で何が必要か、何ができるのかを広い視野で考えられる社会人となって、進路や就職先を選んでもらうことを希望しています。学科を再編成した今年の1年生から、キャリア教育として直接企業の方の話を聞き、働く姿をイメージする授業科目が設けられています。