社会とともに歩む工学部

工学部長 井原 敏博 教授工学部長井原 敏博 教授

 皆様、日頃より工学部の教育・研究活動に対し、格別のご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。工学部の近況と今後の展望についてご報告いたします。

 いま、熊本を中心として半導体関連産業の集積が急速に進展しています。本年度あらたに採択されたJ-PEAKS事業のもと、半導体製造を特定分野の技術として捉えるのではなく、情報通信、医療、エネルギー、防災・社会インフラなど多様なユーザー産業を支える総合産業として位置づけ、大学全体を挙げた取り組みを進めています。半導体産業は、材料、機械、電気、情報、化学といった工学分野に加え、環境、社会基盤、さらには人文・社会科学分野とも深く関わっており、学際的な連携なくして持続的な発展はあり得ません。

 こうした背景のもと、工学部は学内外を繋ぐハブとしての役割を担っています。学部・研究科にとどまらず大学の枠を越えた教育・研究連携を促進するとともに、自治体や企業と協働し、半導体産業を支える水資源の保全、交通渋滞への対策、持続可能なインフラ整備など、地域が直面する課題にも多くの研究者や学生が参画します。これらの取り組みは、工学が社会の中で果たす役割を実体験として学ぶ機会を学生に提供すると同時に、地域と大学の信頼関係を一層強固なものにしています。

 工学部は2027年に創設130周年という大きな節目を迎えます(記念事業を10月30日(土)、熊本城ホールにて開催予定)。これまでに築かれてきた幅広い工学分野の知と人材は、本学の重要な財産であり、地域とともに歩んできた歴史そのものでもあります。130周年を、単なる通過点ではなく、次の時代を見据えた新たな出発点と位置づけ、大学の中核として、また地域と大学を結ぶ結節点としての機能をさらに高めてまいります。今後も、社会の変化に柔軟に応えつつ、教育と研究を通じて持続可能な社会の実現に貢献する工学部であり続けるため、不断の努力を重ねてまいります。引き続き、皆様の温かいご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。